富士山に挑戦  

当日の写真はここをクリックすれば見ることが出来ます。

1.概要

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内容

備考

2002年8月31日〜9月1日

 

メンバー

mmx谷丸さんを幹事とした有志およびそのお友達一同、31名

 

貸切バス

 

工程

8/31:分倍河原(10:15)→(12:30)富士山ビジターセンター (13:30)→(14:30)5合目(14:45)→(17:30)7合目(仮泊)

9/1 :7合目(0:30)→(5:00)9合目付近でご来光→(5:30)頂上→お鉢めぐり(7:00)→(9:40) 5合目(11:00)→(12:30)富士健康センター(14:30)→(16:30)分倍河原

 

2.準備

 谷丸幹事、小堤組長が詳細なマニュアルを作って下さり、指示通 りのものを集めた。私が時々登る山に持参するもの以外では、懐中電灯、防寒着、携帯トイレ、スパッ ツ、ディクトン、軍手などなどがあり30リットルのザックが一杯になった。
準備において重大な誤りを犯してしまった。
一つは登山の際のズボンのベルトを忘れてしまった。家内から着るものを出してもらい、何の確認もせずにそ のままザックに入れておいたためバンドを通しておくのを忘れてしまった。これをバスの中で気がつき、自己 紹介の際に「何方か余分なものがあったら貸して下さい」と叫んだら、奇特な吉川さんが自分の分を外し て貸してくれた。大感謝!!
二つ目はもっと重要なものを持参しなかった。ビールとワインである。これは前日に家内に「アルコール を持参するので冷凍剤を冷凍庫に入れ、ビールとワインは冷やしておいて」と言ったつもりであったが、 朝になって冷蔵庫を開けてみたらビックリ!!。飲み物が冷凍室に入っているではないか。家内に確認し たら私が確かに冷凍室に入れるように言ったとのことで、仕方なく持参するのを諦めた。飲み物の方は皆 様が持参したものを遠慮なく頂いてしまった。皆様ご馳走様でした。
準備段階における反省点としては、何事も自分のことは自分で行うこと。 また人に頼んだ後は自分で確認することを充分に理解した。
谷丸幹事が参加者全員におそろいの富士登山Tシャツ(下記写真参照)とサンバイザーを配布してくれたがこれは中々グーなアイディアであった。

マニュアルに示されたスタイル

 

私の勇壮なスタイル

 

3.登山

 今までに2度挑戦した経験ががあったのでこれを生かした。私にとっての最大の注意ポイントは登山時 のステップのスパンと速さ、夜間の寒さ対策、それと靴擦れである。登山の際スピードを上げると富士山 の場合胸が苦しくなる上に、頭がフラついてくる。であるから谷丸幹事がスピードを抑えるように話して くれたことはとても嬉しく思った。リーダーの玉田さんは女性や私達のコンディションを崩さないように 細心の注意を払って、ゆっくりとコンスタントなスピードで先導してくれた。お陰さまで頂上に着くまで 高山特有の苦しみは皆無であった。実に鮮やかなペース配分であったといえる。
また、7合目で仮泊したが身体の疲労対策に最高であった。(過去二回はいずれも21時過ぎに5合目から直 登していた。)山小屋での仮眠はガタガタ、グーグー色々な騒音があって殆ど睡眠が出来ない状況ではあ ったが、目を閉じて5時間くらいを過ごすということは身体のリフレッシュにとても良いということを体 感した。
防寒対策は大成功であった。冬用のウィンドブレーカーの上着を着用したら殆ど寒さ知らずであった。た だし7合目から頂上までは強い風が吹いており、剥き出しの顔面がとてつもなく寒かった。でも、こんな ことは毎冬に経験しているので大きな問題ではない。
問題は靴擦れであった。数年前に今回履いた靴で丹沢山へ行ったときに こぶしの上の辺りが 酷い靴擦れで死ぬ思いをした。後からどこが摺れるのかチェックしてみたが分からない。靴を更新する か否か悩んだがプータローの身ゆえ、これを履くこととし、谷丸さん推奨の特効薬ディクトンに賭ける ことにした。それ以外に靴擦れ予防のために靴下を二枚履き、さらに発生に備えて綿、キネシオテープ などを充分持っていった。結果は前回のような靴擦れ発生なし。最高に嬉しかった。ただし下山時靴紐 を緩々のまま短時間で下りてきたので、小指の外側が擦り剥けたが、これは前に経験した痛みに比べれ ば全く問題外であり、家で家内の小言を聞く時の苦痛の方がはるかに大きいといった程度であった。靴 紐はそのまま5合目まで到着することが出来た。ディクトンは素晴らしい!!谷丸さんのアドバイスは 素晴らしい!!感謝!!

4.頂上で

 ご来光は9合目あたりで坂本さん、吉田さんと共に仰ぐことが出来た。寒さと強風の中、還暦を迎えた 年という記念すべき思いもあって胸の中がジーンと来てしまった。こんな気分になったのは初めての経 験であった。一面雲に覆われたあたりがダークブルーからシアンに刻々と変化し、そこから赤味が増し てくる。そして一点から真っ赤な炎が出現して広がった。こんなに厳粛な気持ちで見たご来光は初めて であり、思わず 全てのものに感謝して手を合わせてしまった。
 今回は最初からお鉢回りをする決心をして頂上に到達した。風が強い。井手先生と一緒に右から左回 りで行って見た。実を言うと登頂でかなりのエネルギーを消費していたこともあり、お鉢めぐりはもう 良いやと 止めたい気分が強かった。井手先生がギブアップしたら同調しようと思い、強風の中を進んだ。顔が冷 たい。井手先生も確か参っているはずだから何か言い出すことを期待していたが、”no probl em”といった顔つきで歩いて いる。仕方なく 歩いている内に平坦路になり風も弱くなってきた。”それでは本気で行くか”という気持ちになってど んどん行った。ちょうど西側に行ったら、”影富士”が見事に裾野に描かれているではないか。ちょっ と感動した。これは富士山に登頂して、太陽が出てきた状態で西側に行かないと見ることが出来ない訳 でありチャンスは少ないと思うがこの少ないチャンスを経験することが出来、感動を新たにした。富士 山測候所の建物を見学した。ここで思わず新田次郎の「芙蓉の人」を思い出してしまった。明治時代、 確か野中到、千代子夫妻が私財を投じて正確な気象観測をするために観測所を建てて越年観測をしたと いう実話に基づいた小説だ。思いを明治の時代に巡らせながら測候所の展望台から一面を眺めた。
 時計を見ると6時半を回っている。下山開始時刻の7時まで間に合うのか心配になり急いで残りのコー スを歩いた。丁度7時に到着、しかし仲間の皆様たちは既に下山を開始していた。小堤さんが待ってい て教えてくれた。

5.下山

 井手先生と直ちに下山開始。急斜面をビシバシ下った。そういえば砂利が靴の中に入らないように スパッツを持参したけれど、とにかく早く下りなければという気持ちが一杯で装着するのも忘れて歩 いた。7合目から先のジグザグ道には参った。急な斜面を下りるわけだが膝や足全体が疲労している こともあり、3回くらい転倒してしまった。また、下山時には靴紐をきつめに締めるということも忘 れて緩々のまま歩いたので両足の小指外側の皮が靴擦れでヒリヒリしていた。それでも皆さんに迷 惑をかける訳にはいかないので必死に歩いた。途中休憩すること数分、合計2時間40分で五合目に 到着してしまった。

6.癒し

 帰りは富士健康センターで温泉につかり汗を流した。風呂がこんなに気持ちが良いものとは知らな かった。そういえばスウェーデンから来たという技術者も入浴していたが、彼も友達と日本一の富士 山に登山した帰りだと言っていた。温泉の後のビールは格別であった。美味しくていくらでも身体が 受け付けた。これで今回の全ての苦しみ疲れが癒された感じであった。

7.備忘録

 今回とても良い気分で富士山を経験することが出来た。谷丸幹事様はじめ関係者の周到な計画と準 備、それに参加者全員が結束したチームワークで行動したことがその要因と思う。今後の富士登山の 参考として主なポイントを記す。
@.登山前日は睡眠時間をたっぷりとる
A.夜間登頂の際には特に防寒対策が重要
B.装備品の中で特に重要なものとして帽子、マスク(下山時の防砂埃用)、ディクトンなどは必携
C.登山時はゆっくりと歩幅は狭くコンスタントなスピードで歩く.