自然の日記

1999年7月25日 晴れ 気温32度、湿度57% PM5時30分

21世紀を目前にした今の自然の便りをお届けしたいと思います

先ず我が家の庭の紹介です。家は東南向きに建てられ居て、本来なら朝日が燦燦と日の出とともに当たる筈ですけれど、何年か前に東側にアパ−トが建てられ、少し日当たりが悪くなりました。しかし効用もあり台風時のかせ当たりが弱くなり、助かっていることも在ります。これは、ものは考えようという事かも知れません。

前おきが長くなりました。家の花ばなの紹介です。

夜の女王は山百合です。何故かと言うと、夕食の膳でビ−ルをゴクゴク飲む時に庭から漂ってくる百合の強い香おりが何とも言えぬ風情を醸し出してくれるからです。

次は百合の隣の谷ギキョウ、紫と、赤の2種類。ホクシャ、可愛いインパチェンス、蘭、カラ−、ダリヤ、花でまり、オレンジのバラ(フリュ−テ)、キンギョソウ、玄関を飾る百日草、咲き始めた朝顔。ハイビスカス、ベゴニア、ホウセンカ、フウセンカズラ、等

次から一つづつ紹介したいと思います

1999年8月4日 (水)  ベゴニア(リ−ガ-ス) NO2

今年の春、花屋さんで初めて580円で、オレンジの花の球根ベゴニアを買った。それからこり始め黄色の花と、赤を買い求めた。しかしこの暑さで、赤は腐ってだめになり、最初に買ったオレンジの花のみ、元気で、黄色の方も、この夏を越せるか心配だ。しかしオレンジの花を大きく咲かせている姿を毎朝見ていると何とか黄色のベゴニアも元気になってもらいたいと思う。どなたかベゴニアの育て方に詳しい方、教えてください。太陽に当てないと花は咲かない、それにあまり水をやってはいけない、この位しか知りません。よろしくお願いします。

 

1999年7月29日 (木) 山百合  NO1

確か山百合は神奈川県花だと記憶して居ます。相原は神奈川県の相模原市と隣接していて、相模湖、城山湖にも近く、湖に行く途中の道路沿いに今盛んに山百合が咲いています。

家の百合は、10年以上前に相原の雑木林からこいできたものです。何年か前に1本に花が20個ほどつき驚いたのですが、其の後は、球根が分かれて、本数が多くなって花の数は少なくなりました。しかし面白いもので、合計の花の数はやはり20個ほどになります。

芽吹きのころの百合は目を見張るものがあり、あれよあれよと言う間にぐんぐん成長します。青山さんに言わせると、あまりの凄さに物差しをもって何時間も観察したそうです。

夏の暑い夕べ、真っ白な花と強い香りが清涼剤になり、そこに涼しげな風が少しでもあれば、最高の夜を演出してくれます。我が家は百合の香りにつられ、ビ−ルの飲む量がぐっと増えています。

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今から20年前(1978年春)の自然と花のお便りをお届けいたします



1978年8月27日 天気 晴れ
 大地沢ハイキングコ−ス登山口 ツルニンジン(ジイソブ)−つぼみ

1978年8月31日 開花

特徴 ・ガク  5枚
   ・花びら 5片
   ・花の色 中側、沈んだ紫
        外側、黄緑
   ・つぼみ 中に水滴が溜まる(光線を通すとよく見える)
   ・葉は一つの節から4枚出ていて枝分かれの時は必ず
小さな葉が一枚付く


長い間、此の自然観察日記を読んで下さって有り難うございました。此の日記を書いた頃と今は目を見張るほど変わっています。特に山の開発のすごいこと。私の知る限りの植物は開発の犠牲になり姿を消しています。辛うじて保護されている所に生き延びている状態だと思います。少しずつ地球の状態が悪くなって行くのに、日々の生活に支障が無ければ見過ごしてしまいがちです。一人一人が自戒し、地球の自然を守って行きましょう。

此の珍しい植物を最後に一度終わりにします。又違う形で自然の便りを、お届け出来たらと願っていますので又その時は読んで下さい。   終わり。





1978年8月10日 天気 晴れ 大地沢からの帰路。釣り船草、夏ズイセン。NO15 1999-1-14

大地沢の帰路、境川に沿って歩いた。境川の源流がある大地沢から間がないので、川は谷川の様子を見せている。花期にはまだ早い釣り船草が沢山あった。大戸橋を過ぎると町田街道に出る。町田街道も境川に沿って走っている。相原方向に其処から又歩いた。詩人で有名な八木重吉の生家を通り過ぎ、公会堂前と言うバス停の所に夏ズイセンが咲いていた。境川の土手縁である。ポ−としたピンク色で少し紫がかっている。5本も花が咲いていた。つぼみは紫の色が濃く溶け込んでいる。何時も驚かされるのは自然の色の配合の良さだ。ピンクと紫の絶妙な色の配合、此の色以外には夏ズイセンの色はないと言い切れる程だ。


1978年8月10日 天気晴れ 大地沢 クサノオウ NO14 1999−1−10 記

クサノオウとは草の王様と言う意味だと友人から聞いた。茎には一面に白い柔らかな毛が密生している。白身を帯びた緑色の葉に、透き通るような薄い黄色の花びらを付けている。其の姿からは名の通り高貴さが感じられる花だ。


1978年8月8日 天気晴れ 狐のカミソリ(彼岸花科) NO13  1999−1−5 記 

町田市相原に有る大地沢の栗林の横の土手に狐のカミソリが咲いていた。花はオレンジ色。はっとするほど明るいオレンジだ。側には、紫のアキノタムラソウがある。田園に流れる深い静寂。私は此の静けさが好きだ。田舎に育ったせいかも知れない。空気は冷たくバス停から歩いて来た時の汗もすっかり引いてしまった。薄暗い土手にぽ−と明るいキツネノカミソリの群落、一瞬現実を忘れる程綺麗だ。


1978年7月24日 天気晴れ オオムラサキ (国チョウ) NO。121998−12−31 記

友人の門間さんにPM。5.00過ぎに家の前でお会いした。その時彼女は興奮気味に今オオムラサキを見てきた帰りよ。と話して下さった。私はオオムラサキを知らなかったので、彼女に聞き返した。答えは国チョウになっているチョウで羽の色の紫が美しいと言う返事だった。さあ大変すっかり耳鼻科の病院に行くのも忘れて、直ぐ小学校二年生の彼女の息子さんの案内で早速見に出かけた。その時には時間的に遅いのでどうかと思ったが、引き返しても案内してくれる彼に頼って急いだ。たどり着いた時、三本の椚の木の廻りに三匹ほで羽音をさせて舞っていた。それは大きく美しい羽を持ていたので、私は思わずま綺麗ねと歓声をあげてしまった。飛び方は高いところを滑るように飛んでは舞い戻る。チョウといえばヒラヒラとのんきに飛ぶ姿を見慣れていたので、驚いてしまった。

近くに来ると、パタパタと羽音がする。時々木に止まってゆっくりはねを広げる。そうすると紫のいろが鈍く光る。雄と雌が幹にあたまを付ける様に縦に相似形に並んだ。其の姿があまりにも綺麗なのでしばし見とれてしまった。求愛のポ−ズかもしれない。それは見とれるほどバランスのとれた姿だった。

オオムラサキ 開帳 90mm 林に住み木の上を滑るように飛ぶ。くぬぎ、こならなどの樹液を吸う。雌は色が全体的に茶ぽい。雄は本当の紫とはあの様な色を言うのではないかと思うほど美しい紫色。


1979年6月7日 天気 晴れ 相原駅前団地よりア−チェリ−の裏山を通り霞台団地に抜けるコ−ス 

                  コバナノイチヤクソウ    NO.11

4月初め頃見つけておいた、イチヤクソウの様子を見る目的で出かけた。朝の太陽を通した木々の緑は水滴を含んで、光り輝いている。6月の林の中は植物が茂り始めているが、そんな緑の中でコウゾリナの黄色い花が綺麗だ。風で揺れ、笑いさざめいている様に感じられた。林の中は日々変化している。エゴの木は雨と風にたたかれて白い花を殆ど散らしてしまい、青葉だけになってしまっている。黄イチゴは色ずいた実をつけ、所どころに新しく見つけた、イチヤクソウはつぼみを一段と膨らませ、私達を楽しませてくれた。しかし今日の目的地に着いたら何と付近一帯が除草剤の為か赤く枯れ爛れているのだ。大切に咲くのを待っていたイチヤクソウ、今まで見た中では一番立派なつぼみを付けていたのに、無惨にも葉はやられつぼみの影もない。山に除草剤を播く必要が有るのだろうか?絶対否である。3月頃からつぼみを大事に寒さや、風雨より守って、開花寸前で、文明の凶器に依って滅ぼされてしまった。誰がこの小さな花の悲しみを知ろう。せめて私達だけでもと心に思う。


1979年6月1日 天気 晴れ 相原駅周辺 ナワシロイチゴ    NO.10

ナワシロイチゴの花の色は紫がかったピンク色だ。あぜ道の至る所に花びらを立てて咲いている。この花びらの色の美しさは何と表現したら良いのか!! 赤紫を際限なく透明度を出しながらピンクに近ずけたら、こんな色がでるでるのでは無いかと思った。この花は7月になるとルビ−に変わる。まさか!女性の大好きな宝石のルビ−では無いけれど、それに劣らぬ程綺麗なルビ−色のイチゴに変化するのだ。

人々は土手一面に散らばるイチゴに驚くに違いない。深紅の実は何とも綺麗で、見る人を感動させずにおかない。


1979年5月16日 天気 晴れ 神奈川県伊勢原市大山山林道 オドリコソウ草  NO.9

小田急原町田駅より片道140円伊勢原駅に下車。バスで又140円、所要時間約1時間。太山山の麓に着く。直ぐ先導師の方の案内で山へ入る。神仏のある山の常の様に照葉樹林で覆われている。道床は崩れやすい岩石と苔とシダが多い。すすむに従い、オドリコソウ・ネコノメソウ・二人しずか・ホトトギス・ホウチャクソウ・冴えた黄色の唇弁花を持つキケマンと現れる野草に私の心は揺れ動く。林道への急な登り道と平行に流れている沢の水音が、シ−ンと静まり返った林に木霊している。沢の両面には、シャガが咲き乱れている。暗く沈んだ林に薄紫が美しい。急な坂道を登り詰め林道に入ると、道幅も広くなり歩きやすくなる。うの花の甘い香りが漂う道を歩いて行くと、重なるようにつぼみを膨らませているうつぎの木が目に入った。さぞ花期には素晴らしい事だろう。下ばかり見ていたが、上方を見ると初夏の太陽がきらきらと輝いていた。

オドリコソウ 川辺の日陰に群落していた。花−ピンクがかった乳白色。姫オドリコソウより数倍大きい。丈40デンチぐらい

       花の大きさ−2センチ位。葉−ざらざらした感じ。しその葉によく似ている。


1979年5月14日 天気 晴れ花の山ア−チェリ−近辺 (町田市相原) 金ラン、銀ラン NO.8

相原駅前団地を登り詰め、すっかり木々の葉が開いた雑木林に入った。木漏れ日が美しい。ア−チェリ−の裏山を過ぎた南側の山に、前回探しておいた銀ランを見ようと入ってみた。草丈が延び探せずにいると、ぱあっと黄色の花が飛び込んできた。思いがけず金ランだった。すくっと真っ直ぐに延びた茎、黄色の鈴のような花を付けている。花ビラに触れてみる。たった1本の金ラン。私の子供の頃は相原の山には金ラン、銀ランが溢れていった。金ランから目をそらせて丁重に探すと、小さい白い花を付けた銀ランだ。知らないでいると踏み潰してしまいそうな程草丈が短く、花は小さい。可憐で清楚だ。

−−−金ラン−−−草丈30センチ程。明るく陽気な感じの花。

−−−銀ラン−−−草丈10センチ程。花着きが悪い。しかし姿は清楚で、気品が有る。


1979年5月16日 天気 晴れ 神奈川県伊勢原市大山山林道 オドリコソウ草  NO.7

小田急原町田駅より片道140円伊勢原駅に下車。バスで又140円、所要時間約1時間。太山山の麓に着く。直ぐ先導師の方の案内で山へ入る。神仏のある山の常の様に照葉樹林で覆われている。道床は崩れやすい岩石と苔とシダが多い。すすむに従い、オドリコソウ・ネコノメソウ・二人しずか・ホトトギス・ホウチャクソウ・冴えた黄色の唇弁花を持つキケマンと現れる野草に私の心は揺れ動く。林道への急な登り道と平行に流れている沢の水音が、シ−ンと静まり返った林に木霊している。沢の両面には、シャガが咲き乱れている。暗く沈んだ林に薄紫が美しい。急な坂道を登り詰め林道に入ると、道幅も広くなり歩きやすくなる。うの花の甘い香りが漂う道を歩いて行くと、重なるようにつぼみを膨らませているうつぎの木が目に入った。さぞ花期には素晴らしい事だろう。下ばかり見ていたが、上方を見ると初夏の太陽がきらきらと輝いていた。

オドリコソウ 川辺の日陰に群落していた。花−ピンクがかった乳白色。姫オドリコソウより数倍大きい。丈40デンチぐらい

       花の大きさ−2センチ位。葉−ざらざらした感じ。しその葉によく似ている。


1979年5月14日 天気晴れ 町田、相原、霞団地 ハンショウズル  NO.6

町田街道から霞団地に向かう途中に、ハンショウズルがあった。細いつるに咲いた釣り鐘状の花。肉厚で、花の上半分が乳白色、下半分が紅色だ。葉は三つ葉で花と葉が4本ずつ放射線状に一つの節から出ている。こんな道ばたにとられることも無くよくぞ、咲き続けてくれたと感謝したい気持ちになった。花弁の先が4つに切れ込み反り返って居る。こんな造化の妙を持ちながら、光輝く物を持たない質素な花。いぶし銀の様な花だ。だからこそ人の目を逃れて、咲き続けてこれたに違いない。(それから間もなく訪れた時には綺麗に取り払われて何も無くなって居た。残念。)


1979年5月3日 天気晴れ 神奈川県三浦郡葉山町にて タツナミ草  NO.5

とある石垣にタツナミ草が咲いていた。波の立つ姿に似ている。一方によって咲く姿を見つけたとき、一目でタツナミ草と解った。野の草木は、周りの演出によって、美しさが倍加されているような気がする。このタツナミ草も石垣の白い色に紫の花が映えて、思わず歓声をあげてしまった。


1979年4月14日 天気 晴れ ケマルバスミレ(去年 津久井青の原で採取)  NO.4

 花の色  白
 花弁   大きめ 花びらの中央に紫の細い線がある。裏側薄ピンク色少しある。
  茎太くしっかりしている。
  葉と托葉に細かい毛が生えている。
去年1本だったのが今年は8本に増えた。花つきはすごく良い。       
去年の春、青の原の河原で、石の間に1輪咲いているのを見つけた。乾ききった石の間の1輪、何とも綺麗だった。花びらが少し厚めで、白と言うより乳白色に近い色だ。花びらの中央にある紫の色も、配色としてピッタリ。家に帰り調べた結果、ケマルバスミレと知った。私の大事にしているスミレの一つである。


1979年4月8日 天気 晴れ   PM10時〜12時  カタクリを訪ねて。 NO.3

朝10時に家を出かけて、町田市小山の田端近辺の林に入りました。柔らかな落ち葉の林床を足で楽しみながら進むと、破れ傘、タチツボスミレ、紫の色の濃いスミレが目を楽しませてくれました。林の空気が胸に入り込んで来て気持ちが良かった。、そして人家のある所から何分でもない山の北斜面にカタクリの花は咲いていました。1カ月も前から期待していたカタクリ!幼い頃の記憶の一断片として脳裏にあった花が、そこにあったのです。

 数え切れないほど点々と、思ったより小さく、優しげな姿で。色は薄紫、花びらは薄く下向きに咲き、花びらは反転している。6枚の花びらが風に揺れ、はかなげな様子は何ともいえません。  

 それに比べ、茶色の斑入りの深緑色の葉は男性的でした。幅広の二枚の葉は悠々と林床に広げられ、落ち葉の枯れ葉色に新鮮な青さを添えていました。

 まだ萌えきらない木々の中にひっそりと咲くカタクリ、神々の祝福が何時までもありますように、そして、来年の再会を祈って林を後にしました。 

(このカタクリは、全く自然の群落を造っていたのですが、次の年には盗掘に会い見る影もありませんでした。今はニュウタウンの一部になっています。)


1979年3月30日 天気 晴れ  PM 1.00〜4.30  NO.2

町田市相原の丸山団地の西側の道を谷戸に向かって歩き途中林を左へ<西へ>入る左右雑木林でほとんどの木ぎはまだ芽ぶかず、山ツツジの若葉やキブシの花が目をひく。

林の中は街路では見かけない珍しいチョウチョウが春の到来を告げていた。日溜まりに春ランをみつけた。

艶のある細い葉は綺麗な曲線を描いて広がり薄黄緑色の花は首を傾げる様に咲いていた。此処にも此処にもと言うほど咲いていた。

又、イチヤク草が落ち葉に被さる様に丸い葉を広げていた。命の息吹を感じつつ林を登りつめ下を覗いた途端私の心は驚きと怒りにふるえた。

何と文明の凶器ブルト−ザ−が盛んに唸り声をあげているではないか、山を削るのは止めてほしいと切実に思った。<今は寺田団地と言う名で八王子市側の山側に高層住宅が立ち並んで居る。>                          ママ、此処の春ランもきっと無くなってしまうね。と言う子供の声を聞きながら、一つの山を越へ次の谷戸に向かった。そこで、仏の座の紅色の花を見ても、姫踊り子草の可憐な姿を見ても心は晴れなかった。 <今(1998年、平成10年)丸山団地の西側も東側も開発されて家が建ち並んでいる。>


1979年2月20日  雑感   NO.1

         2月3日節分の朝、庭の片隅に瑠璃色の星、オオイヌノフグリの花を見つけた。太陽の光を受けて精一杯に花を開いていた。花の姿の愛らしさと形容出来ない瑠璃色の美しさ。まさに天空に輝く星があるように、地上に輝く星のように美しい。

垣根の下に植えたタンポポ。八王子市片倉の谷戸から移植した日本タンポポ、今年で3年目だ。一月の末、ロゼット状にしっかり地面にへばりついていた。今年の冬は暖かかったので二月の中頃開花した。

 太陽の光を一杯に受けて黄色い光を振りまくかのように咲き誇っていた。二輪咲く垣根の下は其処だけまるで宝石でも落ちているように明るく華やかに思えた。